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Ryukoku University Center for Humanities, Sciense and Religion
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2002 June 26 Ryukoku University 文部科学省高度化推進ORC 採択事業 龍谷大学・人間科学宗教オープン・リサーチ・センター公開研究会 仏教生命観とは何か 縁起思想の意義 龍谷大学法学部助教授・ORC 副センター長 鍋島直樹
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序 仏教生命観とは何かーー研究の回顧と目標
第一章 縁起思想のエッセンス
1 縁起の語義と思想的展開
2 縁起の独創性 異なる思想との比較
第二章 縁起思想の四つの意義 いのちのかけがえのなさとつながりを育む
1 我執から自由になる: To free from self-attachments
2 あらゆる存在の響生と一体感を育む: To develop a sense of harmony and oneness with all things and beings
3 それぞれの存在は縁起の世界においてかけがえない: Each individual exists as an integral being of an interdependent world
4 あらゆる存在への非暴力と慈悲と感謝を育む: To cultivate no-violence, compassion and gratitude for all beings and things
結び
序 仏教生命観とは何か 研究の回顧と目標
1 仏教生命観 縁起説の研究
現代における仏教学の学術的研究は,文献学,教理学上の分野において着実な成果を遂げてきている。文献学・教理学の領域では、中村元博士や平川彰博士らによる仏典の翻訳、仏教思想の解明、仏教の縁起説の研究・大乗仏教の慈悲観などに関する研究があり、その深く緻密でありながらもわかりやすく整理された研究成果は、仏教研究の礎である。さかのぼって、縁起説の研究に関しては、宇井伯寿博士や和辻哲郎博士『原始仏教の実践哲学』に始まり、近年では三枝充悳博士『縁起の思想』や森章司博士などに代表されるような労作がある。
その一方、その基礎研究の過程で明らかにされた仏教思想あるいは教説が、現代社会のかかえる諸問題の解決・改善にむけた実践としていかに展開できるか、すなわち仏教の教説を現実社会がかかえる苦悩の解決のためにいかに具現化できるかという応用学的研究は必ずしも十分とはいえない。日本における仏教生命観に関する学会での研究は、中央学術研究所における水野弘元博士・西義雄博士・塚本啓祥博士・玉城康四郎博士による『いのちの原点 仏教からみた生命とは』特別論文集(昭和63年度)、日本印度学仏教学会生命倫理委員会(前田恵學博士議長)の共同研究や各研究者の発表、日本仏教学会における『仏教の生命観』(平成元年度)『仏教における共生の思想』(平成10年度)などがあげられる。
海外における仏教と生命および仏教と環境に関する研究として注目すべきものは、1997年にハワイ大学から出版された『仏教と中絶』(Buddhism and Abortion. Edited by Damien Keown. Honolulu: University of Hawaii Press, Honolulu. 1998)、1998年にハーバード大学世界宗教研究センターから出版された『仏教と生態学 法と行為の相互関係』(Buddhism and Ecology: The Interconnection of Dharma and Deeds. Edited by Mary Evelyn Tucker and Duncan Ryuken Williams. Harvard University Press.Boston.1998)のなどの研究書がある。後者の研究書には22本の研究報告と参考文献が載せられているが、新しい生態学のあり方を仏教思想にたずね、人間とすべての生き物との共生関係を築いていくための基本理念として、仏教の縁起(インターディペンデンス Interdependence or Interdependent co-origination)に焦点を当てている。
本研究ではこれらの国内外の研究進展に学びながら、仏教の縁起思想、慈悲観にスポットを当てて、仏教生命観の特質を究明し、その仏教生命観のもつ独創性がいかに世界に貢献できるかを明らかにする。
2 「仏教生命観 縁起思想の意義」の研究内容
仏教生命観は、「時間的にも空間的にも、自己の生命が宇宙のあらゆる生命と存在に支えられて成立していることを自覚し、自己中心主義を反省して、あらゆる存在への共感を生みだしていく世界観』......